2008年8月25日月曜日

職人に挑戦!!

今日の午前中は、新入社員の教育のお手伝いで、現場に出ていました。
指導をして頂く先生2名でした。御両名とも養成校(昔は企業が職業訓練校を持っていたのです)出身の方で一人は旋盤工から出世して設計課長まで務めたOBの方(Mさん)、もう一人は組立課長を務められた後、我が事業部の技能訓練生のご指導にあたられている方(Kさん)です。私は御両名に指導をお願いした立場だったので、付き添いでした。御両名が新入社員を指導しながら,立ち話程度に色々昔話をしてくださいました。面白かった!!

技能訓練の基本は「腰」なんだそうです。まずはタガネ打ちからハンマーの使い方を学び、1000回のハンマー振り下ろし(真夏)、ヤスリがけ、そして、、、、そう下の写真の「きさげ」、etcを練習したんだそうです。
今は,きさげをまともにできる人がいなくって、、、Kさんが40年ぶりぐらいに手本を示したら、技能訓練生の指導員よりも上手くできた、、、なんて話をしてくれました。一時間もしたら身体が思い出してくるんだそうです。ちなみに下のキサゲはまだまだ下手くそな部類です(御両名の作品ではありません)。でも一応目が揃っているからまあ、B評定ぐらいかな・・・なんて言っていました。
きさげには専用の工具があるのですが、出来合のものはほどよい弾力がなくって、結局工具を自前で作った方が良い工具ができるんだそうです。下の写真の右側が工具です。銅パイプにハイス鋼のビットを挟んで、できあがり。こんな簡単な工具でも,実はいろんな工夫が仕込まれているんですよ(^^)
ちなみに私もきさげを体験させて頂きました。下の写真です。ストロボ焚いたのであまり綺麗にうつっていませんが、右側のくっきりしたのが、御両名の作品(ちょっと試しに・・・・というレベルです。)綺麗に幅が揃っていますね。
ストロボで光っているすぐ脇の、子供の落書きのようなのが私のきさげ・・・・話になりませんね(^^)
見れば簡単、でも「腰」が上手く使えないので全然削れないんです。
ちなみに、一番上の写真(B評定とされたもの)レベルのきさげは10mm×100mmの面積で,1分もあれば十分仕上げられるんだそうです。
さらに,3年間,基本の技能をみっちりしごかれたMさんやKさんでも,,,,工作機械のベッドを加工するきさげはできない,とおっしゃってました。切り込みの力加減がすごく難しくて,面は出せても上手く「油だまり」にする面にできないのだそうです。(計測器では測れないないレベルのエッジが立ってしまうのだそうです。)
このレベルに達するには,,,,基本をきっちりやってから+1年以上の猛練習が必要なんだそうです。奥が深いな,,,きさげは。
肝心の新入社員さんたちは,ある装置の分解作業に追われていました。

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