2008年11月28日金曜日

話の流れ

さて,今 先週実施した技術士模擬口頭試験で私が対応した方の評価表を作成しています.
手元のメモとボイスレコーダで録音した音声からもう一度記憶を呼び起こして,やりとりの様子を書き出します.
何度も聞き返していると,ふとあることに気づきました.

「論旨が通っていないから墓穴を掘る」

この間模擬口頭試験に対応させて頂いた方は私の専門外(機械部門以外)の方でした.
専門的なムツカシイ事はわかりません.でも「何故そういう考えに至ったのか?」という観点で考えると何故かぽんぽん質問が出ます.
論旨がつながらないから「なるほど」と納得できないのです.
そうなると納得できるまで「何で」「何で」が続くのですが,おしまいには「自分でもわからなく」なるようです.
意地悪だと思わないで下さいね.

ど素人の私が質問して,答えられないのであれば,多分本番の試験では苦労するでしょうから,今のウチに直しておいた方がよいです.

そうそう,今ある方を集中的にトレーニングしています.
かなりハードな指導だと思いますが,徐々に「論理立てて説明すれば,質問なんて怖くない」と言うことがわかってきているようです.その手法としてなぜなぜ分析を使いました.
なぜなぜ分析,言葉は知っている方も多いでしょう.そして実際「やってみた」人もいるでしょう.でも「まともにできる人ってごく少数ではないか?」と思うようになりました.流行言葉のようにやっているだけ・・・のように思えてならないです.

彼に「なぜなぜ分析の論旨がおかしい」と説明をするときに,こんな例を使いました.

「車が渋滞した.」という事象に対しての何故として,
「交通事故が発生したから」
というのはわかる.
でも,あなたの説明は
「家族が病気だったから」
という「何故」を導き出している気がする.

家族が病気だった→看護で疲れた→集中力が途切れた→運転者がよそ見をした→交通事故が発生した→交通渋滞が発生した.というような話の筋が通っていない.

事象-何故1-何故2-何故3-・・・・のように
系統立てて考えるには?

◇「何故1」だから「事象」が発生した.
「交通事故が発生したから,渋滞が発生した」

次,何故1を事象に変更する
「運転者がよそ見をしたから,交通事故が発生した」

次,何故2を事象に変更する
「集中力が途切れたから,運転者がよそ見した」
・・・・・

こうやって短い文章で意味が通じるようにしていくと論旨が通るんだけどなあ・・・・と.

ちなみに指導している彼は気づいて,きちっとまとめてくれました.\(^◇^)/
まとめ方もかなり注意深くアドバイスしたので,なかなか良い「なぜなぜ分析」ができました.
(「樹系図」になっていました.(^^)v)

これから受験される皆さん,ご自身の業務体験論文が「課題」「問題点」「解決策」・・・で筋が通っているか見直して下さいね.筋が通っていないところがわかったら,「口頭試験」でうまく補足しましょう.
ちなみに私は昨年,論文で論旨が飛躍していることに気づいて「口頭試験」で補足説明しました.
どうやって補足するかは随分悩みましたけれどね・・・・
結果はOKでした.

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