昨日は,古楽器チェリストで大変有名な鈴木秀美さんのコンサートでした.
同じプログラムを昼の部,夜の部と開催していただいたので,妻は昼の部に,私は夜の部に言ってきました.
素晴らしい・・・・の一言でした.
曲目はバッハの無伴奏チェロ組曲第2,4,6番です.どれもこれも大好きな曲なのですが,第6番がすごかったです.
元々この曲は「5弦の楽器の為に」と楽譜に指定があります.(バッハの自筆譜は見つかっていませんが,妻の写譜したものなど,のコピーを何故か私は持っています.)
チェロは元々4弦やろう・・・・(ドソレラの開放弦の音程であわせます)
それにミの音が追加になった特殊なチェロで演奏して下さいました.
楽器の「鳴り方」が全然違います.そして4弦のチェロでは絶対に弾けない和音を弾けるので,全く別の音楽に聞こえました.
◇鳴り方・・・当然なのですが,指を押さえていない弦は「共鳴弦」としての役割を果たします.
しかるべき和音に対して変に「指を押さえる」と音が共鳴しなくなって,響きが悪くなります.
◇絶対に弾けない和音・・・・多くの奏者はこれをごまかして弾いています.なんだかとぼけた感じに聞こえて,,,しかも超絶技巧の曲を聴いている気がして,思わず「頑張って・・・」と声を掛けたくなる演奏がほとんどです.でも鈴木さんは「気持ちよく」音楽に集中できました.
彼曰く,「5弦で,ってかいてあるのにわざわざ音楽の意図を理解しないで4弦で弾くのは無駄だ.5弦にはそれなりの意味がある.だから学生時代,私は5弦のチェロを手に入れたら練習しようと思っていた.テクニックに時間を掛けるより,音楽の解釈に時間を掛けるべきだと思っていたから.」と.
説得力ありました....
彼の著書にもそのあたりの詳しい記述があるのですが,「頭で知る」と「聴いて知る」は違いますね.
すごく共感できました.
さて,その後,ある団体のメンバ(の一員としてかな?)鈴木さんを囲んでの食事会に誘われました.
この団体にはお世話になっているのですが,さすがに最近仕事,子育てに忙しい,この団体の目的がわからなくなってきた,などの理由でこの団体に注力できなくって,それがイヤでしばらく休団することにしています.
さて,鈴木さんに「私たちの演奏を指導&指揮をして頂けませんか?」とお願いしました.結果は・・・玉砕.
「あなた達のやりたい音楽がわからない.蕎麦屋でうどんも出し,フランス料理も出し,そんな雑多な感じがする.その時代に合わせた音楽で統一しないと,お客様も辟易する.それをよく考えておくように.」と言われました.
この団体は元々「バッハを演奏するため」の団体だったのですが,最近少し血迷っている気がしていたのは事実です.それを裏付けて頂いて,妙に納得.(結構うんちくがありました・・・・(^^;))
ちなみに写真は食事をしたところにあった「アトム」の人形です.
レトロなものがいっぱいあって,良いお店でした.今度また行ってみようかな???時間がないけれど.
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