2008年10月18日土曜日

技術士会全国大会(2)

さて、今日は日本技術士会全国大会のメインの日でした。分科会2つを聴いてきました。
感想は・・・・うーん・・・
私が参加した分科会は
第3分科会:地域に根ざした技術と地域振興
第4分科会:青年技術士が考える地域社会
でした。
なぜ「うーん」だったかというと、、、地域とは何か?皆さん、地域の定義を俗に言う「地方」、すなわち東京とそれ以外、の意味にとらえて考えているようでした。地域は地域なんで・・・・東京も「地域」ですよね?

東京は得している、地方は損している、でも地方の「独自性」を有効活用すれば、もっと「地域」が頑張れるかもしれない、そのために技術士は、、、、一般の人に対して専門性を発揮しなくてはならない、、、
要約すればこんな議論でした。
なんだか議論がかみ合わない&「技術士は他の人たちと違うのだ」と天狗になっている、のがすごく気になりました。


さて、分科会の後はいわゆる記念行事でした。来賓をよく見たら・・・・文部科学大臣と環境大臣が来られることになっていました(@@)
でも、結局公務で来られず、秘書が代読してました。(^^)
島根県知事、松江市長は来てました。
一番の収穫は、その後の記念講演でした。「たたら製鉄の技と精神」というタイトルで、国選定保存技術保持者の木村明氏の講演でした。たたら製鉄の「村下(むらげ)」といわれる、プロ中のプロです。
たたら製鉄で得られる玉鋼(日本刀や寺社建築用釘の材料)の化学的成分や結晶構造はずいぶん研究されているのですが、何故たたら製鉄でそのような「良い鋼」が得られるのかは、「経験と勘」の世界です。(玉鋼は世界中で冶金学の研究対象となっています。)たたら製鉄以外では「玉鋼」は得られないのが、現代の科学技術を駆使してもわからないのだそうです。
砂鉄と木炭を使うのですが、「炉」にも色々工夫があって、、、、砂鉄が下に落ちていく速度と温度管理、水分量の調整、砂鉄のくべ方、色々ノウハウがあるんだそうです。すごい世界ですね。
一回の製鉄作業で得られる玉鋼の量は1トン強なのですが、材料の木炭は12トン、砂鉄は10トン使うのだそうです。そして三日三晩寝ずに村下が砂鉄をくべたり、火の調整をしたりします。
22トンを徹夜で3日間!!考えただけでもすごいですね。

写真は実物の玉鋼です。写真でとると汚いですが、実物は宝石のように美しいです。

これはたたらの炉の構造です。これもノウハウの塊。


さて、最後は交流パーティでした。400人ぐらい出席したのかな。大宴会でした。出雲に伝わる「ヤマタノオロチ」伝説を題材にした神楽も披露されました。
これもすごかったです。


さて、明日から1泊2日で石見銀山をメインとしたテクニカルツアーに行って来ます。
石見銀山、三瓶の埋没林、色々見所がありそうです。

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