2007年8月2日木曜日

設計・・・・論

というほどのものではないですが。
私がまだ現役の「設計者」であった2001年に、私は会社からある機械の構造について特許を出願しました。既に公開特許番号になっていますが、あえてここでは公開しません。
ところが、先日この特許を使った機械を納めた「客」が、特許の名称は違うものの、内容がほとんど同じ特許を出願していることを発見しました。
私が業務上発明したものに対して、客(ユーザ)があたかも自分が発明したかのように出願する、この姿勢に非常に腹がたちました。
例えば車のユーザだったとしましょう。エアバッグという装置が取り付いていて(これが特許になっているかどうかは別として)自分が発明者だ、と言い張るのと同じ事です。
ここには実は根元的な問題があると考えています。「設計」ってなんでしょう?
私は設計とは、「仕様」(定性的な表現を含む)ものを具体的に「数値のある定量的な仕様を作成」し、構造、形状、機構を具現化する行為だと考えています。
そう考えると、ユーザである顧客は自分では「設計」する行為を行っていないわけですから、「構造」に関する特許は出願できないと考えるべきでしょう。
客が何を意図して出願したのかはわかりませんが、メーカの設計者としては「良い製品」を市場に出したいという純粋な心をもった技術者のモチベーションを下げる愚かな行為と思います。

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